Windowsセキュリティを開くと、「ウイルスと脅威の防止」などのページが表示されず、次のようなメッセージだけが出ることがある。
ページを使用できません このアプリの一部の領域へのアクセスは IT 管理者によって制限されています。
自宅のPCなのでIT管理者は自分しかいない。それなのに「管理者に問い合わせろ」と言われても困る。私も以前、Windows Defenderが使用不可になったときにこの表示に出くわした(そのときの記録はWindows Defenderが使用不可になった時の対処にまとめている)。
結論から書くと、自宅のPCなら「他社のウイルス対策ソフト → ポリシー(レジストリ)の非表示設定 → Defenderのサービス → Windowsセキュリティのアプリ」の順に確認すれば、原因はだいたい見つかる。会社や学校から支給されたPCなら、意図された設定である可能性が高いので、自分で解除せずに情報システム部門に確認すること。
このメッセージは、「Windowsセキュリティの一部が、何らかの設定によって使えなくなっている」という意味でしかない。原因はいくつかあるので、この記事では確認する順番と、それぞれの直し方をまとめる。
まず確認:会社や学校のPCではないか
最初に、そのPCが組織に管理されていないかを確認する。管理されているPCでは、この表示は不具合ではなく、管理者が意図して設定したものだ。
- 「設定」→「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」に、会社や学校のアカウントが登録されていないか
- 会社のドメインに参加していないか(「設定」→「システム」→「バージョン情報」で確認できる)
私物のPCに仕事用のアカウントを追加しただけで、組織のポリシーが適用されることもある。心当たりがないアカウントがあれば、ここで切り離すと直る場合がある。逆に会社のPCであれば、ここから先の手順は試さずに情報システム部門に相談してほしい。
原因①:他社のウイルス対策ソフトが入っている
ウイルスバスターやノートンなどがインストールされていると、Defenderは自動的に無効になり、Windowsセキュリティの一部の画面が使えなくなる。パソコンを買ったときに体験版が入っていて、期限が切れたまま残っていることも多い。
Windowsに登録されているウイルス対策ソフトは、PowerShellで次のように確認できる。
Get-CimInstance -Namespace root/SecurityCenter2 -ClassName AntivirusProduct | Select-Object displayName
「Windows Defender」以外の名前が出てきたら、そのソフトの影響を疑う。使っていないならアンインストールして再起動する。アンインストールしても名前が残る場合は、各メーカーが配布している専用の削除ツールを使う。
原因②:ポリシーで画面が非表示にされている
「ページを使用できません」と出る一番の原因がこれだ。Windowsには、Windowsセキュリティの各画面を利用者から隠すためのポリシーが用意されている。グループポリシーでは、次の場所にある「[ウイルスと脅威の防止] 領域を非表示にする」(英語名: Hide the Virus and threat protection area)を有効にすると、「ウイルスと脅威の防止」がホーム画面にもサイドバーにも出なくなる。
コンピューターの構成
└ 管理用テンプレート
└ Windows コンポーネント
└ Windows セキュリティ
└ ウイルスと脅威の防止
自分で設定した覚えがなくても、「Windowsを軽くする」系のツールや、過去に試したレジストリの書き換えが残っていることがある。
レジストリで確認する
ポリシーの実体はレジストリに書き込まれている。管理者権限のコマンドプロンプトかPowerShellで、次の2か所を見る。
reg query "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender Security Center" /s reg query "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender" /s
見るポイントは次のとおり。
Windows Defender Security Center\Virus and threat protectionの下にUILockdownが0x1で入っている → 「ウイルスと脅威の防止」が非表示にされているWindows Defender Security Centerの下に、ほかの画面名(Firewall and network protectionなど)のキーがあってUILockdownが入っている → その画面も非表示にされているWindows Defenderの下にDisableAntiSpywareが0x1で入っている → Defender自体を無効にする設定が入っている
何も表示されない(「指定されたレジストリ キーまたは値が見つかりませんでした」と出る)なら、この原因ではない。原因③に進む。
直し方
Pro版のWindowsなら、グループポリシーエディター(gpedit.msc)で上の場所を開き、該当するポリシーを「未構成」に戻すのが一番安全だ。Defender自体が無効にされている場合は、「Windows コンポーネント」→「Microsoft Defender ウイルス対策」にある「Microsoft Defender ウイルス対策を無効にする」も「未構成」に戻す。
Home版にはgpeditがないので、レジストリの値を直接消す。消す前に、必ずキーごとバックアップを取っておくこと。
# バックアップ(デスクトップに .reg ファイルとして保存) reg export "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender Security Center" "$env:USERPROFILE\Desktop\wdsc-policy-backup.reg" # 「ウイルスと脅威の防止」の非表示設定を消す reg delete "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender Security Center\Virus and threat protection" /v UILockdown /f
消したらPCを再起動して、Windowsセキュリティを開き直す。もし元に戻したくなったら、バックアップした.regファイルをダブルクリックすれば復元できる。
なお、いまのWindowsでは「改ざん防止」が既定で有効になっていて、DisableAntiSpywareのような値が入っていても実際には効いていないことがある。その場合でも、値が残っていると画面の表示がおかしくなる原因になるので、上と同じ要領でバックアップしてから消しておくとよい。
原因③:Defenderのサービスが動いていない
ポリシーに何も入っていないのに表示が出る場合は、Defenderの本体が動いていない可能性がある。管理者権限のPowerShellで次を実行する。
Get-MpComputerStatus | Select-Object AMServiceEnabled, AntivirusEnabled, IsTamperProtected Get-Service WinDefend, SecurityHealthService | Format-Table -Auto Name, StartType, Status
AMServiceEnabledがFalseだったり、WinDefendがRunningになっていなかったりするなら、サービスの問題だ。私のケースはまさにこれで、サービスに登録されている実行ファイルの場所が存在しなくなっていた。調べ方と直し方はWindows Defenderが使用不可になった時の対処に詳しく書いたので、そちらを見てほしい。
原因④:Windowsセキュリティのアプリ自体が壊れている
サービスもポリシーも問題ないのに画面がおかしい場合は、Windowsセキュリティのアプリ(画面側)が壊れていることがある。初期化してみる。
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
- 「Windows セキュリティ」の「…」→「詳細オプション」を開く
- 「リセット」を押す
PowerShellでやるなら次の1行でもよい。
Get-AppxPackage Microsoft.SecHealthUI | Reset-AppxPackage
それでも直らない場合、Windows 11なら、Microsoftが配布しているWindowsセキュリティアプリの更新プログラム(KB5007651)を入れ直すと直ったという報告がある。このファイルは必ずMicrosoft Updateカタログ(catalog.update.microsoft.com)から入手すること。掲示板などに貼られている別サイトのダウンロードリンクは使わないほうがいい。
それでも直らないとき:ローカルのグループポリシーを初期化する
どこに何が設定されているか分からないときの最後の手段として、PCに保存されているグループポリシーを丸ごと初期化する方法がある。Defender以外の設定も全部初期状態に戻るので、事前に復元ポイントを作ってから行うこと。
RD /S /Q "%WinDir%\System32\GroupPolicyUsers" RD /S /Q "%WinDir%\System32\GroupPolicy" gpupdate /force
実行後に再起動する。なお、この方法で消えるのはPCの中に保存されたローカルのポリシーだけで、会社のドメインや管理ツールから配られているポリシーは消えない(次に同期したときにまた適用される)。
まとめ
- 「IT管理者によって制限されています」は、Windowsセキュリティの一部が何かの設定で使えなくなっているという意味
- 会社や学校のPCなら意図された設定なので、情報システム部門に確認する
- 自宅のPCなら、他社のウイルス対策ソフト → ポリシー(
UILockdown) → Defenderのサービス → アプリのリセットの順に確認する - レジストリを消すときは、必ずバックアップを取ってから



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